不穏

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「魔女の森が枯れ始めたことと何か関連があるのでしょうか?」 王子が言うと 「わからない。だが、全く関係ないとは思えない。気象に詳しい見識者に各地に視察に行ってもらい、報告を待ち対策を練ることにした」 と王が答える。 「しかしエーデンは逼迫していて、どうしても王子の力が借りたいそうだ。お前の力がどうであれ、王子が視察に行くと言うのが重要なことだと私は考える。ミハイル、エーデンへの視察を命じる」 王に言われて「はっ」と左胸に右手拳当て、敬礼をする王子。 アグネス領の時は皆、雨乞いの儀式なんて形式的なもので、それで雨が降ればいいくらいのことだったが、今回は違う。民は期待している。 重責に緊張する王子だった。
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