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ここは余裕を持って仕事が出来る会社のはずだったのに、僕がそれを妨げてしまってたのか・・・。
今度から気をつける・・・いや、やはりこの会社には僕は向かないのかも・・・。
一年間雇ってもらったけど、僕じゃない方がきっと・・・。
「とにかくっ」
やはり辞めた方が・・・と考えていたら、真田が僕を椅子ごと自分に向かせた。
「一度オレの話をちゃんと聞けっ。オレもみんなもお前の体を心配してるんだ」
予想と違うことを言われて、ちょっと驚いた。
仕事じゃなくて?
仕事頼めなくて困ってるんじゃないの?
「こんなガリガリで顔色も悪くて、でも仕事を休まない。・・・お前がいつ倒れてしまうかって、みんな本当に心配してるんだよっ」
頼むから、少しは自分の体を労わってくれ。
そう言って、僕のパソコンをシャットダウンした。
「とにかく、今日はもう帰れ。戸締りはオレがやっておくから」
そう言って僕はオフィスを追い出されてしまった。
帰れと言われても・・・。
時計を見ると、まだ8時を回ったところだ。
こんな時間じゃ、帰ってもすぐには寝られない。
出来れば泥のように疲れて、そのまま眠りたかったけど・・・。
仕方がない。
どこかに寄るのも嫌だし、帰るしかないか・・・。
僕は諦めて、歩いて10分の家に帰ることにした。
本当なら夕食を摂るところだけど、夜にご飯を食べなくなって久しい。
最初は何を食べても吐いてしまっていたのだけど、どうにか体と折り合いをつけて、昼だけは食べられるようになった。
昼はどうしてもみんなの手前食べざるを得なくて、仕方なく食べてはいたのだけど、最初はやっぱり吐いてしまってダメだった。
だけど、どうにか食べても大丈夫なものと量を把握して、みんなが怪しまない程度には食べることができるようになった。
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