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「決めた!奈美さん、週末一緒に過ごそう?
僕の家で、日本酒飲もう。一緒に料理作って」
「えー。なんで斗馬は私が土日ヒマだと思っているわけ?」
「ヒマとは思ってないよ。僕を選択して?」
「やだ、何そのお願い。可愛いじゃない」
すっかり姉と弟のようであった。
「でも、だめ」
「なんで?」
「仕事に支障をきたす関係になったら嫌だから」
「支障きたしません。約束します。誓約書書くよ」
そう言って斗馬はお店の名前が入っている箸袋にサラサラと書いた。
「このお店に誓って、約束します」
「よし!絶対だからね」
奈美は受け取りながら、約束が何の役にも立たないことを思い出した。
『奈美を幸せにするよ』
『絶対ね』
昔、そんなやり取りをした男はさっさと他の女と結婚した。別に幸せにして欲しかったわけではない。一緒に幸せになりたかった。
そんな事を思い浮かべている奈美の様子は、明らかに沈んでいた。
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