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「今夢中なのは奈美さんだよ。ずっとチャンスを狙ってた」
真っ直ぐ見つめる斗馬の目はチャラけている様には見えなかった。
「……あと何買うの?コンビニで。日本酒とかビールも買う?さっき御馳走になったから私に出させてよ」
奈美の了承に代わる言葉に斗馬は満面の笑みとなった。
「日本酒はストックあるから。じゃあ、明日のパン屋の分お願い」
「今日のコンビニも出すわよ」
「コンビニは割り勘で。ほらコンドームとパンツはお互いが履くものだしって、うわっぷ」
奈美は慌てて斗馬の口を塞いだ。
「ちょっと!バカ斗馬。聞こえるでしょ」
終電間際の駅前は多くの人がいるのだが、お構いナシの斗馬。恥じらいのない直球さは清清しいほどだ。
コンビニで例のモノたちを買い、手を繋いで斗馬のマンションへ向かう。
十二月も半ば。夜はかなりの冷え込みだ。そんな寒さも手を繋いでいるだけで軽減されそうな気分であった。
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