口溶けの恋心

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「何て断りましょうか?」 「え?」 「あれ?違いました?行きます?」 「そうね、えっと……」 「良かった!喜びますよ森田。『行く』っと今、返事しときました。先輩の携帯にお店のURL転送しておくのでよろしくお願いします。ではお先に失礼します!」 「あ、ちょっと」 藤崎は、脱兎のごとく帰って行った。 例の彼と今週末は過ごせるのだろう。仕事も恋愛もエネルギー全開といった藤崎の若さを少し羨ましく思う奈美。 さて、思いがけず出来た金曜の夜の予定。 とはいえ、奈美は、仕事相手とどうこうなる気は更々ない。 気になっていたお店で美味しい日本酒を飲んで、現状の進み具合の報告など少しすればよいだろうと、残っていた仕事を片付け、店に向かった。
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