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「あんなにお優しい方、他にはおりませんわ!」
熱弁するおユキちゃんにクリスティーンは苦笑いを浮かべた。そうして、
「私がどうやってこのお店のことを知ったのか、と言うお話デスネ?」
おユキちゃんに確認を取ると、おユキちゃんはぶんぶんと首を縦に振った。クリスティーンは少し視線を彷徨わせ、何かを思い出すようにしてから、
「あれは去年、私がまだ日本に来たばかりの頃デスネ」
そう言って『喫茶 ねこまた』との関係を話してくれる。
その頃のクリスティーンはまだまだ日本語が不自由で、家に閉じこもってばかりいた。そんな折、家にいてばかりのクリスティーンを心配した旦那のマークがこの『喫茶 ねこまた』へと連れてきてくれたのだった。
「ココのマスターは、英語が出来ると、マークが言うので……」
そうして久方ぶりに外出しやってきたこの喫茶店の雰囲気と、珈琲の味を、クリスティーンはたいそう気に入った。そのため度々この店を訪れるようになり、そこで日本語の勉強をしていく。店主もまた、クリスティーンの日本語の勉強に付き添い、その結果、今やクリスティーンは日本語で日本人と交流を持てるまでになったのだった。
「こうしておユキちゃんとお話しできるのも、全てこのカフェとマスターのお陰様デス」
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