Ep1 Santa Claus is coming to town

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 話しを聞き終えると、瞳に合わせた薄緑色のフレームのメガネを人差し指ですっと上げてからクインが言った。 「正直過ぎるわ。趣味はサーフィンなんて、全然サンタのイメージじゃない。せめてスノボかスキーって答えるべきよ」 「でも今更。毎年サーフィンって答えてるから、もう覚えられてるよ」 「聞かれたらサーフィンは飽きたって言えばいいだけでしょ! 」 「オーケー、そうする。後は? 」 「ダンスと歌ね。うちのお爺ちゃん見てるとダンスも歌もテンポがズレてるの。少し猫背で前屈みで足だけ必死に動かしてる感じ。ふんふんふーんって口ずさんでる歌と動きが噛み合ってないのよ。上手に踊ってはダメ。そういう風に出来る? 」 「分かった。お爺ちゃんの歌とダンス撮って送ってくんない?それ見て練習してみるよ。他には? 」  クインはこくりとコーヒーを一口飲んだ後、ソーサーに戻してから首を傾げた。 「今更だけど、ダンスと歌って必要なの?サンタは子供達に姿を見られちゃいけないのに何で? 」 「夜中にトイレで起きる子供がいるからだって。咄嗟の事態に対応できる表現力の審査だって聞かされてるけど」 「ふーん。ともかく、一番問題なのは見た目ね!! 」 「え?一応、俺イケメンって事になってる筈だけど、服のセンスがマズイって意味? 」 「だから……マシューがモテないのはそういうとこ!受かってる連中を思い出して」 「ああ!同じ部署だとチャックにマーリー。マーケティング部にはトム」 「共通点分からない? 」 「共通点?フライドポテトやフライドチキンが好き──とか? 」 「そうよ!それとビッグサイズのコークがいつもデスクの上にある! 」
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