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「コークやフライドポテトが好きでないとダメって事か」
クインは両手を上げ首を振り、大袈裟に溜め息を吐いた。
「違うわ!彼等の体型、全員肉厚でしょ? 」
ちょうどその時、二人のテーブルの脇をジュージュー旨そうな音を立てたステーキを運ぶウェイトレスが通り過ぎた。
「確かに──肉汁迸るって感じだな」
「あなたはスレンダー過ぎるの。幾ら白い髭付けたって全然サンタじゃない」
「じゃあ、俺も死ぬ程フライドポテト食わないと。時間がないよ。オーディションまで後一週間しかないんだから」
「焦らないで。私にいい考えがあるの。取り敢えず店出ましょ! 」
扉を開けた途端に外気の冷たさに首を竦める。
「マシュー、マフラー忘れてる? 」
慌てて取りに戻った。
ダークグリーンのマフラーをぐるぐる首に巻き付ける。
温かい。
歩きながら自然に差し出された互いの手が繋がれる。
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