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「そっか。暑い国に白い肌のサンタって何かおかしいもんな。赤い服も水着に変えた方がいい。じゃあ俺が日本でオーディション受けたら益々不利だな」
クインの視線が道を挟んで斜め前、ガラス張りのジュエリーショップに止まった。
宝石を扱ってるだけあって、クリスマスシーズンで無くても外装も内装も綺羅びやかだ。
クラクションの音を立ててスカイブルーの車が二人の前を通過した後、信号が青に変わった。
リース通りはオーナメント通りより賑わい、沢山の店が並んでいる。
「あそこの店寄ってかない? 」
ジュエリーショップの事かと思ったら、
クインの指差す先にはお菓子の店があった。
木の小屋を模したポップな造りで、大きな杖の形のキャンディーやチョコ、マカロンにビスケットが壁に貼り付いている。
店の中はバニラやココナッツの甘い香りで満ちていた。
「そういえば、あなたの見た目の事。映画会社に勤める友達に特殊メイクを頼もうと思ってるの」
「特殊メイク!!有難いけど俺の場合は体型だろ? 」
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