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「サンタ役は諦めたって言ってたけど、クインもオーディション受けたらいいのに。メイクして体型作れば俺と同じだろ?あ、でも最強のライバルになっちゃうかな。はは! 」
クインは紙袋からダムスーガーレを取り出し一口齧った。
「もういいの。私には無理って分かったから。私では多くの子供達に夢を届けて上げられない」
「そんな事はないよ」
マシューはショクラッドボッレを口に放り込み噛み砕いた。
「サンタの格好でソリに乗ってみたら転倒してしまって。着膨れしてるから感覚掴めなくて、ただでさえ私ソリの操縦そんなに得意じゃないし」
「そんな。ソリの操縦練習すればいいだけだろ? 」
「マシューだってオペレーターは無理って言ってたじゃない。向き不向きがあるのよ」
「サンタのイメージが壊れちまえばいいのに。その癖、若い奴が選ばれるって変じゃないか」
「寒い冬の夜をソリで駆け抜け、夜明け前までにプレゼントを届けるには若さと体力とスピードが必要なのよ。あなたの曾お祖父さんの時代とは違うわ。自分がサンタ役をやりたいからってイメージを壊すのは何か違うし。あなたの操縦技術なら着膨れしててもスピードは落ちない筈よ」
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