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STORY1 終焉学園
「お姉ちゃん!」
「エルーナ!」
「やばいどうしよう、このままではブラッドストーンの加護が…」
姉は焦っていた、このままでは私だけでなく妹も一緒に死んでしまうからだ
「お姉ちゃんどうしよう、このままだと…」
「うるさい!解ってるから黙ってて!」
「う、うん…」
バキバキバキバキ…
「大魔法、黒き盾!どうか耐えて!」
エルーナがダークチェリー色の薄めの防御壁を錬成し、崩落してくるブラッドストーンの宝石で出来た学園の建物を身を挺して防御した
「エルーナ、無理よ!それだと…」
ピキピキピキ…バリン!
「え、嘘、盾が…」
「エルーナ!!」
「…っ!間に合わない!」
ドシャーン
ひとつの学園が終焉を迎えようとしていた
名をブラッドストーン学園という
◇
「エルーナ!!」
「いてて…、ちょっと無理しちゃった…」
エルーナの魔石力を見るとあとわずかしかなかった。あと一回奥義魔法を使えばエルーナの魔石力は切れるだろう、そうなれば自然とエルーナは事切れるだろう
くそがっ!
心のなかで悪態をついた後、
「奥義オーラ展開!」
「え…、お姉ちゃんやめてよ、お姉ちゃんでなくても私一人で勝てるから…」
「魔石力がわずかしかないのにそんなことを言わないで!」
「う、うん…、そこまで言うなら…」
どうやら私の圧に負けてくれたようだ
「変身奥義発動!ガブリエル」
「…勝ってくるから」
エルーナにそう一言を残し、戦場へ狩り出ていった
「お姉ちゃん死んじゃ嫌だよ、もう誰一人失いたくない…」
小言を漏らし、悲哀の目でガブリエルに変身した姉の背中をただ見つめることしか出来ずにいた
◇
一方、敵陣地では…
学園長の帰還指示によって支度をしていた
「今回も圧勝だったな」
「そうだな、こんなにもあっさり学園が滅ぶというのに、何でもっと学園長は他の学園を滅ぼしに行かせてくれないんだ」
「上も思惑があるんだよ、まぁ、いつかは俺らの学園以外の全ての学園を滅ぼせそうだな」
二人が満足そうな顔をしながら支度をしていた
「話もいいけど、早く終わらせて」
満足そうな顔をしている男二人にタブレットから液晶のようなものを浮き上がらせ、何かをしている女がきっばりと一言放った
「おう、わりぃな」
「口を動かすのはいいから、早く手を動かして」
「は~い」
男二人はその一言を放つと支度に入った
「これだから男は嫌いなのよ」
そうポツリと呟いた
その直後
「みんな今すぐ逃げて!」
液晶を見てとっさに声を枯らす勢いで叫んだ直後に、女は液晶を開いた状態で手に持ったまま逃げた
それを追うようにいち早く逃げていなかったものたちが逃げてきた
そうして数十秒後、
ドドドドン!!
女がいた場所辺りに数十本の虹色の弓矢が空からメテオのように落ちてきた。逃げ遅れたものはそれの餌食となった
数分後、
「確実に全滅させたのに何でまだ生き残ってるのよ!」
「…知らない。誰か仕留め損なったんじゃないの?それか隠れてたか」
「最後の一人は私が倒した!」
「じゃあ落ちてきた弓矢をみる限りでは何であの天使が全滅させた学園にいるのよ」
「知らないよ!」
「そういうことよ。てか何でそんなに怒ってるのよ、怒ったってなんも解決しないわけだし」
◇
この会話の数分前─
「逃げた?それとも、元からこれだけなの?」
敵陣地に降り立った虹色の羽根の天使は亡き骸となった人々をみて考えたあと
「特技スキル 安らかなる慈悲」
詠唱した私の周囲の敵陣地の亡き骸が次第に跡形もなく消え去っていく、消え去るときの複雑な気持ちは言葉に表せないほどである
「あなたたちが襲ってこなければこんな惨いことにはならなかったのに…」
ポツリと呟いて来たルートに身を翻し、飛んで行こうとした
しかし
む、何か視線を感じる…
「ジーッ…」
見られてた!恥ずかしい~
こちらの方に怯えながら視線を送っている二人の少女がいた
STORY2へ続く
一言コーナー
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