ツウィートしただけなのに

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能天気に街を歩き、待ち合わせ場所へと着いた由佳はベンチに腰を下ろした。 セナの容姿は知らないが、まだ来ている様子はない。 ―――セナってどういう子なんだろう? ―――声も可愛いし優しい子だし、きっと素敵な子なんだろうなぁ・・・。 ―――って、慌てて出てきちゃったから待ち合わせの時間まで結構あるんだ。 ―――暇だなぁ、どうしよう? ―――・・・あ、そうだ! ―――久しぶりにチャットでもしようかな。 2ショットのチャットへログインした。 部屋に入ろうとするとランダムに相手が選ばれ話すことができる。 マッチングまでの時間は早く時間を潰すのにもってこいだが、いい相手と当たることは少ない。  『21で女』 表示された情報はそれだけで、拒否をすることもできない。 だが女性となれば由佳としては安心して話すことができる。 ―――わぁ、女の人だ! ―――チャットは男の人が多いイメージだから、珍しいな。 『こんにちは! 私は中二の女子です!』 『――相手は退室しました――』 はずだったのだが、相手は一言も喋らずに通信が途切れてしまった。 ―――うわぁ、切られた・・・。 ―――この人は男性目当てだったのかなぁ? ―――それとも年齢が駄目だった? ―――女の人と当たるとすぐに切られることが多いんだよなぁ。 時間を潰すことは全くできず、セナとの待ち合わせまではまだかなりある。 気を取り直し、再度マッチングを試みた。 『中二の女子です!』 『中二の女子か、可愛いね。 僕は男で25歳』 『大人ですね!』 『君はどこ出身?』 『都内です!』 『なら僕と近いかも。 ねぇ、よかったら今から会って一緒に遊ばない?』 流石の由佳といっても、こんなに急な誘いに乗ることはない。 もちろん現在はセナと待ち合わせをしているが、していなくても無理なパターンだった。 ―――はは・・・。 ―――こういうチャットって、出会いを求める人しかいないんだよなぁ。 ―――私は普通にお話をしたいだけなのに・・・。 やんわりと断ってチャットを終えた。 結局、時間は潰せていない。 だがもう一度マッチングする気にもなれなかった。 ―――暇だなぁ。 ―――・・・そうだ、久々に自撮りしてツウィッターに載せよう! 早速この場で自撮りをしてツウィッターに投稿した。 待ち合わせによく使われる場所であり、花をモチーフにした時計が綺麗で写真映えする。 ツウィ―トするとすぐに反応が返ってきた。 “可愛い! いつ見てもゆーかちゃんは可愛いね” “そこどこだろう?” “写真写りいいね” 嬉しく思いながら返信していると思い出す。 ―――あ、そう言えば! ―――写りがいいと言えば、前に律奈と2ショットで撮った写メが上手く写れたんだ! ―――折角だしそれも載せよう。 早速フォルダーの中を探し写真を投稿した。 かなりキメ顔で盛れていてお気に入りの一枚だ。 “うわ! 天使が二人いる!!” “そんなことないですよー!(笑) でも嬉しいです!” “めっちゃ可愛い!” “そう言ってもらえて凄く嬉しいです♪” “どこで撮ったの?” “携帯は禁止なんですけど、こっそり学校で撮りました(笑)” “友達の顔を出しちゃって大丈夫?” そんな中、やはり一人だけ心配するようなメッセージが届いていた。 ―――あ、また冬真さんだ・・・。 ―――どれだけ心配してくれるんだろう? ―――というより、友達を載せて何がいけないのかな。 ―――・・・あ、自慢になるから? ―――友達がいない人が見たら確かに嫌な気分に・・・。 ―――あれ、でも冬真さんはいつもたくさんの友達に囲まれるような人だよね? ―――なら嫌な気分にはならないはずだけど、よく分かんないや・・・。 “大丈夫ですよ! 特に問題はありません!” “そう? 気を付けてね。 二人共可愛いね” “ありがとうございます!” 返信していると後ろから声がかかった。 セナだと思い笑顔で振り返る。 「ゆーかちゃん?」 「セナ! ・・・え?」 だがそこにいたのは見知らぬ大人の男性だった。
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