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「宜しい、騎士ペレルよ、そちに任そう……。」
王はそう言うと、醜い騎士ペレルを近くまで招いた。
王は、跪く騎士ペレルの肩に抜いた剣を当てると言った。
「汝騎士ペレルよ、王に対して絶対の信頼を約束するか?」
「誓って……。」
ペレルがそう答えると、王は剣をペレルの肩から離して言った。
「騎士ペレルよ……姫を救えるのはそなただけだ、頼むぞ。」
王の言葉に、騎士ペレルは深く首を垂れた。
同胞たちは心配したが、ペレルはいつも通りの健やかな態度で仲間に言った。
「あの美しい姫君に光をもたらすことが出来るのなら、王に捧げたこの命惜しいとは思いません。」
ペレルの言葉に、皆心を打たれ感服した。
ペレルは、王の命を受けた2日後に寂れた屋敷を出立した。
供は無く、いつも一緒に戦場を駆けまわった愛馬も置いたまま……ペレルは皮の鎧と鰭垂、皮の長靴に皮の小手を唯一の守りとして、腰にバスタード・ソードを履いたまま出立した。
魔女のいる山までは徒歩で4日ばかりの距離である……。
行きゆく村や街でペレルは失笑や蔑みを浴びた。
それでもペレルは淡々と受け流して魔女の住む山まで歩き続けた。
山に入るといきなり鬱蒼とした森がペレルの前に立ちはだかった。
ペレルは臆することなく前へと進んだ。
しばし歩くとペレルの眼前にワー・ウルフが現れた、ペレルは剣を構えて間合いを取り、そして幾百もの戦場で鍛えた勘でワー・ウルフの攻撃を避けつつその胴体に致命傷を与えた。
これでは、魔女のいる場所へ着くまでには幾つもの試練があろう……騎士ペレルはそう思うと嘆息した。
二つ目の試練は見たものを石に替えてしまう伝説の蛇女だった。
ペレルが辺りを見るに、人間の石像が何体も立ち並び……ここで数多の挑戦者が命を落としたのを知った。
ペレルは伝説の蛇女に背を向け、バック・パックの中から鏡を取り出し小手に装備した。
ペレルは小手の鏡に映る伝説の蛇女と戦った。
相手も強かったが、ペレルも強かった……ペレルは何回かの危機を凌ぎ、その伝説の蛇女の首筋に腰に蓄えた短剣を放って動きを封じて剣で止めを刺した。
伝説の蛇女の剣に着いた緑色の体液をぬぐい、体中につけられた傷口に包帯を巻きながらながら、ペレルはかつてこの山の魔女に挑戦し、不具者となったかつての先輩騎士に話を思い出していた。
先輩騎士は言った。
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