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「滅相もございません、姫君……私は無骨もの故、失礼があったならばお許しください。
私は姫君の様なお美しい方とお話すること自体存外の誉なのです。」
ペレルの言葉に、姫君はなおもペレルの手を掴んだまま言った。
「私に光を与えてくれた騎士の顔を見たいと思っていた。
そして、その顔は私が想像した以上に尊かった……。
数多の騎士の中でお前だけだ、私の為に身命を賭してくれたのは……その勇士がなぜこうして畏まるのだ?
私は今思った……お前が好きだと……。」
周りからおおっ!という歓声が漏れた……。
姫君はくるりと背を向けると父である国王に言った。
「騎士ペレルとの約束を果たして下さい……。」
「姫は、既に南の帝国の皇太子との婚姻話が進んでいる……それは無理だ。」
国王の言葉に、姫君は言った。
「では、私は騎士ペレルとともに駆け落ちを致します。」
周りの騎士が更に騒めいた……。
姫君は言った。
「約束は守らねばなりません、しかし、それ以前に私はこの心優しく勇気ある騎士に好意を抱いてしまいました。
父上、この願い聞き届けてくれなくば、私はまた目を閉ざしましょう……この短剣で。」
その言葉を聞いた国王は言った。
「早まるない……分かった、騎士ペレルとの婚姻を認めようぞ。」
その言葉に騎士団から喝采が起こった。
騎士ペレルは呆気に取られていた。
ペレルは姫君に訊いた。
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