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「芽衣」
「ん?」
生クリームを口の端につけた娘がこちらを向く。
私は彼女の唇のクリームを人差し指で拭うと、彼女はにぱっと口を開けて笑った。
――この子はこれからどんなクリスマスを過ごすんだろう。
長い時間を積み重ねて。
どんな人に出会って。
どんな想いを、どんなプレゼントを貰うんだろう。
笑ってもいい。泣いてもいい。何だっていい。
彼女にとって、特別な一日になってほしい。
「ケーキおいしい?」
「うんっ!」
「ふふ」
クリスマスは一年で一番素敵な日だと、そう思えるような人生を送ってね。
「メリークリスマス」
(了)
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