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2004年12月25日
クリスマスは、眩しい。
「次はあれに乗ろうぜ!」
私と野田くんは遊園地に来ていた。「でっかいツリーが見たい!」というざっくりした要望に付き合うことにしたのだ。「どうせ暇だろ!」と言う彼に反論できなかったのもある。
いつも通りに美香ちゃんと田中くんも誘ったのだが、二人とも予定があるらしいので仕方なく二人だ。
……幸運にも、と言った方が正しいかもしれない。
彼と二人きりでクリスマスを過ごせるんだから。
日もすっかり暮れてきた頃。
野田くんが「次はあれだな」と言って歩いた先には、カラフルな電飾と華やかな音楽で飾られた円形のアトラクションがあった。
「え、メリーゴーランド?」
「そうそう。メリーゴーランドってさ、なんかよくね?」
観覧車やジェットコースターなどの派手なアトラクションに行列ができている中、このメリーゴーランドには誰もお客さんがいない。
「なんかってなに?」
「回り回って同じところに帰ってくるじゃん。そういうこと」
「いやどういうこと」
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