2005年12月25日

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2005年12月25日

 クリスマスは、寒い。 「わ、懐かしいね」 「一年振りだな」  野田くんと付き合って初めてのクリスマス。  いつもよりちょっとお洒落なディナーとかわいいケーキを食べて、私たちは思い出の遊園地の前に来ていた。 「なんかあの時のこと思い出して一年越しに恥ずかしくなってきた」 「ねえあの告白って前から計画してたの? 知能犯による計画的犯行?」 「うるせーもう忘れた」  そっぽを向く彼がかわいくて、私は笑ってしまう。 「ねえ、ちょっと入ってみない? 久しぶりだし」  そう言ってから私は一歩を踏み出して。  彼が動かないことに気付いて立ち止まる。 「あー、今回はやめない?」  いつもはあっけらかんとしてテキトーなことばかり言っている彼が珍しく口ごもっていた。私はその態度に少し引っかかる。 「え。どうして?」 「うーん、なんかさ」  野田くんはそこで言葉を止めた。 「……いや、なんでもないや」 「なにそれ気になる」 「ほら、寒いからどっかあったかい店にでも入りてーなあと思って」 「ほんとかなあ」  苦笑して「ほんとほんと」と言う彼に、私はそれ以上何も訊かなかった。 「あ、そういえば駅前に新しいカフェ出来てたな。行ってみるか!」 「駅前ならいつものカフェで良くない?」 「新しいほうが楽しいじゃん」  そう言って、彼は雪の降らない聖夜を歩き出す。  私はその後を追いかけた。    
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