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2010年12月25日
クリスマスは、忙しい。
「1点で3950円になります。お買い上げありがとうございます!」
私は大学から近いケーキ屋でアルバイトを始めた。もちろん余ったケーキが目当てで。
クリスマスも予定のなかった私はシフトに入ったが、まさかここまで忙しいとは思わなかった。
「真里ちゃん、いい調子! このまま全部売り切って帰るわよ!」
「え、これ全部売らなきゃ帰れないんですか」
いつもパワフルな店長は忙しいと更に元気になる。私のお母さんと同じくらいの歳なのに元気すぎるよ。
「わ、ほんとに働いてる」
そんな声が聞こえて私は顔を向けた。
「あ、田中くんいらっしゃいませー。いやなんせ予定もお金もなかったからね」
「クリスマスに泣かせないでくれる?」
中学卒業以来会っていなかった田中くんとは半年前に大学で偶然再会した。学食でチキンカツを頬張っているところに声をかけられて少し恥ずかしかったのを憶えている。
彼は昔とあまり変わっていなくて、私たちはすぐに友達に戻った。
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