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運命？
別に意地になってるとか
そんなんじゃないのに。
──嫌な感じ。
お似合いの二人だと、心の中で思った時
「今度は営業中に来るよ」
財布をしまいながら
予想しなかった言葉を言った彼は
行こう、と彼女の腰に手を回して
出入り口のドアへと歩き出す。
もしかして
私が彼女に対してムッとしてたのを感じた……？
二人の後ろ姿を見ていたら、バックヤードのドアの開く音がして、ヨウさんが戻って来た。
「あれ、あ！ お帰りですか？
ありがとうございました。
お気を付けて」
そんな言葉も言わずにいた私に代わって
頭まで下げて
ヨウさんは接客のプロだと改めて思う。
この場で"ありがとうございます"を言えない私は
やっぱりまだまだ幼い。
ドアを開け
彼女を先に外へと送り出した彼は、一度私の方に振り向き目を合わせると、何も言わずに店を出て行った。
その時の目が
はっとする位に藤井さんと似ていて
本当に親子なんだと思わせる。
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