3000万

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そんな私の反応は 彼には幼稚に映ったかも知れない クスクス笑う様子を見てそう思った。 「オレがコーチしてやろうか? 」 ニヤリと笑う。 私が本当に泳げないのを見て 可笑しそうに笑う顔が容易に想像出来る。 「……結構です」 ちょっと睨んだって 全く気にしてない様子。 それどころか、何か企んでるような感じさえする。 「まぁ、いいや。すぐ来るから待ってて」 更衣室へと彼が消えて ポツンと薄暗い廊下にひとり。 非常口の緑色の明かりがやけに目立つ。 更衣室の中からロッカーを開ける音なんかが聞こえるだけで、他にはなんの音もしない。 ……本当に誰もいないのかな。 こういう時、昔から何故か あそこから誰か覗いてたら、とか 誰もいないはずの女子更衣室のドアが勝手に開くんじゃないか、とか 余計な怖さを自分で作り出すクセがある。 奥の廊下の曲がり角、白い天井 挙句は飾られてる高価そうな額に入った絵画にまで、キョロキョロと視線を送る。 そんな中 急に更衣室のドアが勢い良く開いて 思い切り驚いて顔が引きつった。 着替えを終えた彼は、そんな私を見て ……ほら 「お化け屋敷とかもダメな感じか」 また得意のバカにした顔で言うと歩き出す。 Tシャツにフィットネス用の膝上までの水着。 肩に大きなタオルをかけて先を行く後ろ姿を見ながら歩く。 ダメな所ばっかり知られて 思わずため息が漏れた。
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