水の中へ

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「……この後、どうしよっか」 私を抱きしめたまま 耳もとでささやいた後 少し身体を離して私を見て微笑む。 だけど私はにこりともせずに ただ彼の目を見て 「どうもこうも 私、着替え無いって分かってる……? 」 意地になって服のままプールに入ったは良いけど、後の事を全く考えて無かった。 そんなバカな自分にも 目の前で微笑む彼にも呆れてしまう。 「オレのジム用のジャージあるから大丈夫」 崩れないスマイル どこまでも果てしなく この人は我が道を行くタイプ。 「……大丈夫って……簡単に言うけどね? 」 「ウチで服乾かせば良いし なんも問題ないでしょ」 ニッコリ笑う。 「ウチって? 」 「オレの家」 当たり前じゃん、って顔が どうも気に食わないけど こうなる事は、自分に3000万なんて値段を付けた時点で覚悟はしてた。 「……と言うより 親父が本宅と別に持ってた部屋だけど。 良く知ってるんじゃない? 赤坂のマンション」 そう言われて 胸の奥がきゅっとなった。
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