悪い女の顔

2/2
470人が本棚に入れています
本棚に追加
/369ページ
それから約5年間 藤井さんとの関係は続く中で 夢を叶える為の目標額が、通帳の残高に数字となって見えた時 店を辞める事と、辞めた後に自分で店を出そうと思ってる事を藤井さんに打ち明けたら 藤井さんは一瞬驚いた顔をしたけれど 「そんな夢があったなら オレがもっと前に叶えてあげたのに」 と、言った。 「絢なら、きっといい店が出来るよ。 オープンの時には ビックリするぐらいの花を贈ってあげるから」 それが藤井さんが私にくれた最後の言葉。 3日後に、藤井さんは仕事で訪れていた異国の地で事故に遭い、帰らぬ人となった事をニュースで知った。 恋や愛ではないけれど 言葉に出来ない情を藤井さんに持ってた心には 大きくぽっかりと穴が開いた。
/369ページ

最初のコメントを投稿しよう!