とりまイイコちゃん

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「まだここら辺のこと わからんよね、 あっ、そうじゃ、 まどかちゃん、部活は どこかに入るん??」 ぶーかーつーぅ??? そんなのあたし、 1ミリも考えてなかった。 元の高校にいた頃は、 部活には入らなくて、 放課後は友だちと 可愛いカフェ行ったり ビリヤードで遊んだり、 部活入ってなくても しっかり充実してたし。 ここ、そういうの全然 期待できないよね。 「部活ってみんな 入るものなの?」 私が尋ねるとういちゃんは 首を横に振った。 「ううん、入らん子は 入らんよ~。」 「そうなんだ、 じゃあういちゃんは 入ってるの?」 「わたしは、」 「うーーいーー、かっ!」 男の子の、声がした。 パッと声のした方を見ると、 男の子が二人。 っていうか、 普通にイケメンなんですけど。 「駿くん、魁くん!」 ういちゃんはそんな 二人にとても親しげに 声をかけてて、 え、このイケメンと この子がお友達なの?? うそ。 この二人、 都会にいても全然 問題ないレベルで顔が 整ってて、 こんな田舎にいるのが 壮絶に勿体ない。 2人のうち、 髪がアッシュカラーの方の イケメンが悪戯っぽく ニッと笑った。 ここの高校髪染めて おっけーだっけ??? 「茴香、テストお疲れ! あと青山さん?だっけ、 初めまして、 大賀 魁斗です、 (おおが かいと) 茴香の彼氏でーす、」 「違うじゃろうがっ、」 「もー、魁くん!?」 ういちゃんと黒髪の イケメンの両方から 突っ込まれて、 大賀くんは悪戯っぽく 舌を出す。 わー、びっくり。 田舎にこんなハイレベルな イケメンいるなんて。 桃花眼で、涙袋が ぷっくりで、 鼻筋が綺麗に通ってて、 唇が少しぽてっとしてる。 ていうか、この二人 背も高いんですけど。 「こんにちは、大賀くん。 髪・・・・・」 あたしが思わずこう言うと、 大賀くんは自分の髪に手を 伸ばした。 「あ、これ? これ、染めとるよ。」 普通に言うけど、 この学校染めるの アウトじゃ? あたしが不思議そうに 見上げていると大賀くんは ケラケラ笑った。 「いや、ほんまは 染めたらいけんのじゃけど 『これは生まれつきです!』 で押し通しとる!!」 「嘘つけ、 全然押し通せとらんくせに。 1週間に必ず1回は注意 受けとるじゃろが。」 黒髪のイケメンが 呆れたようにこう言えば、 大賀くんはちょっと 拗ねたように口を尖らせた。 「あぁあ~~~、 ほんまそれなぁ~~~。 いい加減先生も諦めれば ええのにぃ、」 「逆じゃ、魁が 黒染めしたらええやん。」 黒髪イケメンはため息を 1つついて、それから あたしの方を見た。
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