死が二人を分かつまで

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「っつっはっ! はっ! はっ!」 僕は目を覚ました。目が回る様な眩しさは蛍光灯の輝だった。周囲を見渡して、其処が自分の家で有る事を認識して落ち着きを少しずつ取り戻す。心臓がどくどくといつもより早く拍動している。着て居たTシャツは汗でぐっしょりと濡れていた。この夢は高校生くらいの時から時々見る様になっていた。内容は何時も同じだ。そして、この夢は僕にとって悪夢なのかそうでないのか判断がつかないでいる。Tシャツを脱いで、洗濯機に投げた後、冷蔵庫から水を取り出して、一口飲んだ。 最近、この夢を見る回数が増えている。高校生の時は一か月に一度程度だった。だが、大学生になってからは二十日に一度が数カ月。それが五日ずつ短縮して行って、今では毎晩になっている。何かを予感させるものがあるが、それが何かが分からない。 「まさか、前世の記憶だったりする? もうすぐ出会うとか?」 声に出して、あまりにも馬鹿馬鹿しく思えた。ドラマや漫画じゃあるまいし、そんな事は現実で早々起ったりしない。ぐだぐだ考えるのは止めて、取り合えず少し勉強した後に風呂に入って寝た。
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