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あみという女の子の声は聞き覚えがあった。俺と同じクラスのマドンナの上坂亜美に凄く似ていたのだ。上坂亜美はとても人当たりが良く何事にも秀でている美人の女子だ。性格も良く誰に対しても優しくて有名だ。あみと亜美の喋り方や声はとても似ていた。だが現実的に考えて何千何万、ヘタをするとそれ以上の確率だと思う。そんな奇跡が起こるはずもない。そう言えば安達慶介が上坂亜美の事を気になるとは言っていたなとふと思い出した。
『聞いてますか?』
『聞いています、で何でしたっけ?』
『聞いてないじゃないですか〜。怒りますよ』
あみが頬を膨らませてるのが目に浮かぶ。実際は顔も見た事がないが声と喋った感じでこういう子かなと外見を想像していた。
『ごめんなさい』
『冗談ですよ。私の事は何と呼んでくれるんですか?』
そうだった。お互いの情報は話していたが未だにどう呼べばいいか分からずに何で呼ぶか決めようと話していたのだった。
『あみさん、あみちゃん、あみ』
『あみって呼び捨てで呼んで。私もむぎって呼び捨てでいい?』
俺はネットの名前を凪ではなく、むぎという偽名でやる事にした。別に本名でやっても問題はないと思うが何かあったら怖い為偽名を使う事にした。
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