3・裏切りと告白

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 手の震えは次第に体中に広がり、頭から血の気が下がって行く。スーッと意識が遠くなりそうになったその時。  左肩にふわりと温もりを感じた。  「大丈夫か?」  低音の声が耳元で聞こえて、遠くなりかけた意識を何とか取り戻す。斜め後ろを振り向くと雨宮がいた。  「雨宮さん」  そう口にしたはずなのに、千紗子の口からは息を吐く音しか出ない。    「無理をするな」  痛々しいものを見るかのような瞳が千紗子を見下ろしたその時、  「だっ、誰だ!!」  リビングから焦るような怒鳴り声が聞こえた。千紗子の肩がビクリと跳ねあがる。  そんな千紗子の背中を「大丈夫」と言う代わりに優しく撫でた雨宮は、千紗子が開けかけたドアをゆっくりと開いた。
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