手紙

12月26日

　拝啓　日野遊馬様

　僭越ながら里帆に代わって筆をとらせていただきました。里帆の母です。
　遅くなって申し訳ありませんが、去る12月23日、里帆は旅立ちました事をご報告させていただきます。
　遺品を整理する中で、勝手ながら、これまでのお手紙のやり取りも拝見させていただきました。何ヶ月もの長い間、里帆を支え、励まして下さり本当にありがとうございます。あの子は長い闘病生活の間、決して諦める事無く、弱気になる事なく、一生懸命前向きに頑張ってきました。里帆の笑顔に、周りにいる私達の方が何度救われた事か。その原動力になっていたのは、遊馬様のおかげだったのですね。本当にありがとうございます。心より感謝を申し上げます。
　里帆は最後まで、あなたへの感謝の言葉を繰り返していました。
　ご承知の通り、病状が悪化してからというもの自分で起き上がる事もできず、筆をとるのも苦しい状態にあったはずなのですが、あなたへの手紙を頑張って書き残していたようです。本人に成り代わり、同封して送らせていただきます。里帆の肩身代わりにお受け取り下さい。

　追伸　いずれ直接ご挨拶に伺いたいと思っておりますので、突然のお手紙を書くご無礼をお許し下さい。まずはご報告まで。

　里帆の母・芳江