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本邸は名古屋にお城みたいな建物がそびえているらしいが、今日は東京郊外にあるというセカンドハウスに招かれた。 「名古屋の方なんてエラソーな門構えに仰々しい表札かかってて、俺子供の頃からなーんか落ち着かんねん!こっちの家の方が新しくてあったかいし、俺は好きぃ!」 ニコニコ顔のまま何やら鍵についたボタンをリモコンのようにピッ!と押すと、目の前の駐車場の門が自動で静かに上がり始めた。 わーすごい! ドラマみたーい! そのままスムーズに車庫入れした柊木さんがササッと車から降りて、私の席のドアを開けてくれた。 少し首をかしげながら、笑顔で私のことを覗き込んでいる。 やだー、映画みたーい! めちゃくちゃ照れながら手を借りて高級車を降りる。 お尻のポケットに手を入れたまま、樹も長い足で車から降りて来た。 それにしても、なんでご主人様が運転して執事が助手席……??
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