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ワカサギ釣りから帰った瞬間、大慌ての女将さんに聞かされた事故の話。 そのまま飛び乗ったタクシーで、一目散に向かった地元の大病院。 真っ白の病室のベッドには、包帯だらけの由梨ちゃんが横たわっていた。 とりあえず、命があったことにホッとする。 一緒に生きて、一緒に死のうと そう誓ったはずなのに。 まさかこんなに早く一人で幕を引いてしまうなんてこと、受け入れられるはずがない。 近くの丸椅子にそっと腰掛け、眠る横顔を恐る恐る覗き込む。 どうして、樹と一緒に車に乗ってたんやろ。 樹が迎えに来た? けど、それに応じたん? 聞きたいことがいっぱいある。 けれどまずは、安心させてあげないと。 「まだ生きてるで」って。 「まだ一緒に生きられるで」って。 今までで1番優しい笑顔で笑って、きっと怖い思いをしたであろう由梨ちゃんを落ち着かせてあげな。 そんな風なことを考えながら、どのくらい時間が経った時か。 ずっと飽きずに眺めていた顔がピクリと動き、そっと音もなく、その瞳が開いた。
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