5/10
前へ
/65ページ
次へ
「どうしよっかな」 街路樹の電飾の飾りを見上げると、その背後に冬の澄んだ空気の中で青空が見える。 太陽の光もまあるく柔らかで、夏の太陽のようなギラギラとした強さは感じられない。 「同じ太陽なんだけどなぁ…全然、違うよね」 ぼんやりと空を見ていたら、急に周囲の空気がザワザワしてきたことを感じた。 それに気付いて、緊張が走る。 気付かれた? 慌てて動いたら、逆に目立っちゃう。 落ち着かないと。 心の中では色々と考えが目まぐるしく展開しているけれども、身体は空を見上げた格好のままで固まる。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加