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「定ちゃん、ここから いっせいのーで、で翔ぶよ。あの青空に向かって。」
俺と幸恵は高校の屋上にいた。
今、立っているのは柵の向こう側だ。
「これは終わりじゃなくて、スタートラインなの。」
昨日、学校の帰りに明日決行しようと約束したばかりだった。
何も言わない俺に幸恵は畳み掛ける。
「定ちゃん、ビビってるの?!昨日決めたよね?男に二言はないんじゃないの?私が手を繋いであげる。一瞬だよ。あの青空と一体になるの。そしたら、全てマッサラになる。」
幸恵は俺の手を握った。確かにその手には汗もかいてなくて、震えてもいなかった。
そして、俺の手を引っ張った…
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