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子供らしさに首を絞めた日
▪過去編より幼少期白夜×隼人×焔。
▪暗殺描写含む。閲覧御注意。
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「千里様がいなければ、ゴミでしかない」
「千里様無くしてあの化物を生かす理由が何処にある?」
「千里様がいないならば、首を刎ねてしまえ。見ているだけで気持ちが悪い」
千里様が、千里様が……恩人の名に続く否定や拒絶の言葉が、悲しみに暮れる少女の首を絞めた。
千里の自室に引き籠り、声を殺して泣く。食事もろくに取らず、少女が涙を堪え、笑顔を咲かすのは少女が心底慕う彼が来訪した時だけだった。
「よお、」
「隼人!?」
耳がピンと立ち、三本の尾が激しく踊る。彼の膝がベッドに沈む前に、駆け寄って胸へと飛び込む。
「こっちの姿かよ」
「えっ、あぁ……寒かったから」
解いた変身。ふわふわで真っ白な小狼の姿は、一瞬にして綺麗な人形のような人間の姿に。
黒いパーカーを脱ぎ、それを着せて抱っこする。彼は御満悦と言わんばかりに顔を綻ばせた。
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