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雪ウサギ
透明なビニール傘から空を見上げると、分厚くほの白い雲の波間から、いくつもの雪がふわふわと舞い降りてきて、駅のホームのアスファルトに着地した瞬間に、溶けてなくなっていた。
右腕に舞い降りた雪を目を凝らしてよく見てみると、それが氷の結晶をいくつも集めたものなんだってわかる。
人通りの少ないホームの端の辺りはうっすらと雪が積り始めている。
今日は夜も雪が振り続くとの予報だったので、夜にはやがて、視界を覆うほどの雪となり、辺り一面を雪世界にするだろう。
・・
しかし寒い・・
少し前に、セミロングの髪の毛を、ショートにしようと思っていたけど、悩んだ挙げ句に切らない事にした。
それからも、鏡を見る度に悩んでいた。
でも、髪の毛のお陰で、首元の寒さが若干軽減できていると実感して、今になってその判断は正解だったと思った。
ミント色のフリースのタートルネックの上には、カラシ色のダウンジャケットと、ピンクとベージュのストライプ柄のマフラーを着けて、足下には、厚手のタイツ2枚とスノーブーツとタータンチェックの厚手のスカートと、寒さ予防はしっかりしてきたんだけど・・
ダークブラウンの手袋の下の指先は、既に悴み始めている。
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