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そのすぐ後で、
「じゃあ、早速頼むよ。」
とパパに言われて、雑巾とバケツと脚立が私の前に用意された。
電車に揺られていただけだけど、ちょっとのんびりしたい。
だから、ついつい、
「ねぇ、パパ。
今からするの?
だってもう外は暗いしさ、明日でも良いんじゃない?」
と言ってしまった。
「サク、今からしてしまおうよ。
今泊まっているお客さんには、夕御飯は遅くなるって言ってあるし。
それにさ、今してしまえば、明日はサクはここでのんびり出来るからさ。」
そう言われると、それもそうかと思う。
それにまぁ、『掃除』と言う名の親孝行だ。
やってしまおうか。
私はダウンジャケットを脱いで、それから脚立を立てて、天井のむきだしの梁や、そこから延びるコードにぶら下がっている、磨りガラスのレトロな照明を雑巾で拭き始めた。
掃除は最初は面倒くさいけど、手掛けたところは確実にキレイになっていく所はとても楽しいよね。
・・って、そんな風に思うのは私だけかな・・。
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