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それから脚立に昇ったり降りたりを繰り返して、少しずつ場所を移動している間に、私は夢中になって掃除をしていた。
ふと、
「サク!!
囲炉裏の近くは危ないからしなくていい。
脚立から降りなさい。」
っと!危ない危ない。
と、パパに言われて、足元を見ると、囲炉裏の上部にある火棚がすぐ側にあった。
足元の脚立の隙間からは、囲炉裏のなかで優しく燃えている火が見える。
乾燥した木を使っているせいか、煙が少なくて、目に染みることもなかった。
・・と、脚立を降りようとした時だった。
囲炉裏を挟んだ向こう側の梁の上に、何か黒くて四角いものを見つけた。
「ねぇ、パパ、あれなに?」
そう言って指をさすと、
「え?どれの事?
パパには見えないぞ~?」
そう言うパパの視線からは、梁の底面しか映らないから見えないんだ。
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