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車内は、案の定空いていて、ほとんど貸し切り状態だ。
私は座席に座って、バッグの中身の荷物を確認した。
『えっと、
お母さんの作った大根と大葉の漬け物と、白菜と柚子の漬け物。それからシイタケ抜きの筑前煮。
それから、短冊みたいな一筆書が一枚。
大丈夫ね。
ちゃんとある。』
と独り言を言った。
さて、到着は夕方になるし、少しのんびりしようと、バッグの中からタマゴサンドと暖かい紅茶の入った赤色のポット、それからボンタンあめを取り出して、窓枠に置いた。
携帯電話を取り出して、
『今列車に乗ったよ。
夕方には着くかな。』
そう文字を打ち込んで送信すると、すぐに既読になって、
『こっちは大雪だよ!!
咲、暖かくしておいで。
夕方に駅で待ってる。』
と返答があった。
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