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携帯電話のイヤホンジャックにお気に入りの赤いコードのイヤホンを接続して、耳にあてて曲を流した。
曲は、お気に入りのピアソラのブエノスアイレスの四季だ。
私の友達は、『サク!こんなの高校生が聴く曲にしては、かなり大人すぎるよ!』
・・って言うんだけどね。
何て言うか、なんとも言えずに情熱的なのに、その中に普遍的な音の美しさと共に凛とした空気感もあって、さらに独特の寂しさがあってね。
なんだかとても心に刺さるんだよね。
それを聴きながら、窓の外で舞い続ける雪がなんだかとてもしっくりくる。
私はタマゴサンドを食べて、暖かい紅茶をのんでほっこりしたところで、ボンタンあめを口にいれた。
その甘酸っぱさが口に広がると、なんだか眠たくなって、そのまま目を閉じていた。
いつの間にか、イヤホンから流れる曲は終わっていたけど、その代わりに、ゴトンゴトンと身体に伝わる列車の揺れが心地好かった。
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