雪ウサギ

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 このカフェ兼ゲストハウスの名前は、『白ウサギ』、当初はママがウサギが好きで、特に白ウサギやそれを模して作る雪ウサギが好きなことから付けられた名前だ。 車を降りて、雪が固まって白い針金のようにこびりついた木戸を開けるとすぐに目に入ったのは、お盆に乗せられている雪ウサギだった。 雪で出来たその身体には、赤い木の実の目がふたつと、椿の葉の耳がふたつ生えていて、私をその優しい瞳で出迎えてくれていた。 その先を見てみると、なんとも心地の良い空間がそこには広がっていた。
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