船を待つ

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 旅客機の墜落事故、無人島生活を経た青年は、ここもきっと死後の世界とは違うのだろう、と気付きはじめていました。それでも青年には、自分の今いる場所がこれまでの状況に比べて、ずっと穏やかなところに感じられました。 「。ずっとあなたのような人間を探していたのです。あなたは私たちに選ばれました。一緒に宇宙を救いましょう」  窓の先に、見上げなくてもいいほど近い距離に、星が見えます。  俺だけが特別なんて言葉は信じられない。きっとこの船には大量の人間が本人の意思など関係なく集められてるんだ、と青年は思いました。  それでも確かに青年は無人島から離れることができたのです。その事実が青年の気持ちをすこしだけ前向きにさせました。
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