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数日後。
あたしは待ちきれないし、系斗はあたしから逃げてるし、匠には止められてるけど、強行突破することにした。
ジミーの住むアパートのインターホンを押すと、ジミーは目を擦りながら出てきて、
「あれ?瑠生?どうしたの?まだ7時前…」
と言いかけると、あたしは首を伸ばして部屋の中を覗いてみた。
「アンジェいる?」
「いるよ。呼ぶ?」
「うーん。そうだなぁ。今日とか明日とか、アンジェと約束してる?」
「うん。明日休みだろだから今夜からハワイ島に」
じゃ、仕方ない。ジミーとアンジェは巻き込めないか。ジミーが一人だった時は、気楽に巻き込めたけど、今はアンジェのためにも、あまり連れ回すのはやめておこう。
「じゃ、いいや。あたしがここに来たことは、秘密ねっ」
あたしはそう言ってアパートを出ていくと、
「お、おーい、瑠生!!匠さんにちゃんと言ったほうがいいよー!勝手に動いちゃだめだよー!」
とジミーがあたしの背中に向かって叫んでるけど、あたしは無視して外に停めていたチャリに乗って、そこから勢いよく走り出していった。
仕方ない。あいつに頼もう。今すぐハワイを出るために。もう、ここんとこ、あたしもバタバタしてて、一筋縄ではハワイから出られない。
こうなったら、悪人を利用しよう!
あたしが今の家に住む前に使っていたマンション。オートロックのマンションのエントランスをスペアキーて解除して、エレベーターに乗り込む。
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