episode9 いつかその時が来たら

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「なに、ロス行きたいの?俺が連れていってやるさよ。匠が反対してんだ?いいじゃん。面白そう」 「テラは、匠に逆らいたいだけでしょ」 「え?ロス行きたいんだろ?俺の昔の女のパスポート、つかってけば?変装手伝うぞ。髪の色とか似てるからイケる!」 テラはキッチンに向かいながら言うと、あたしはテラの後ろについていって、 「マジ?テラ、ロスに無事に行けたら、あんたのこと少しは見直してあげる!」 と言うと、テラはクスクス笑ってカウンターキッチンにあるコーヒーメーカーからコーヒーをマグカップに注いだ。そこに、カイも後ろからやってきて、 「またそうやって勝手に動いて、匠を怒らせるんだぞ。また出禁になるぞ」 と言うけど、あたしは腕を組んで首を横に振った。 「あたしは、沖縄でお世話になった雪子のことが心配なの。梨花は自分勝手すぎる!散々振り回してロスに帰るって、…ちゃんと謝ったのかな。ここはあたしの出番だよ!!とっちめたいの!自分のためじゃない。雪子のためなんだよ!!それの何が悪いの?!」 あたしはカイを睨みながら言うと、カイはスマホを取り出してあたしに向けた。画面には匠の顔が映っていて、どうやら通話が繋がっていたようだ。 『だから、動くなって言ってんだよ。馬鹿が』 匠が言うと、あたしはスマホの中の匠を睨みつけた。 『あたし、ちょっとロス行ってきまーす!』
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