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「なに、ロス行きたいの?俺が連れていってやるさよ。匠が反対してんだ?いいじゃん。面白そう」
「テラは、匠に逆らいたいだけでしょ」
「え?ロス行きたいんだろ?俺の昔の女のパスポート、つかってけば?変装手伝うぞ。髪の色とか似てるからイケる!」
テラはキッチンに向かいながら言うと、あたしはテラの後ろについていって、
「マジ?テラ、ロスに無事に行けたら、あんたのこと少しは見直してあげる!」
と言うと、テラはクスクス笑ってカウンターキッチンにあるコーヒーメーカーからコーヒーをマグカップに注いだ。そこに、カイも後ろからやってきて、
「またそうやって勝手に動いて、匠を怒らせるんだぞ。また出禁になるぞ」
と言うけど、あたしは腕を組んで首を横に振った。
「あたしは、沖縄でお世話になった雪子のことが心配なの。梨花は自分勝手すぎる!散々振り回してロスに帰るって、…ちゃんと謝ったのかな。ここはあたしの出番だよ!!とっちめたいの!自分のためじゃない。雪子のためなんだよ!!それの何が悪いの?!」
あたしはカイを睨みながら言うと、カイはスマホを取り出してあたしに向けた。画面には匠の顔が映っていて、どうやら通話が繋がっていたようだ。
『だから、動くなって言ってんだよ。馬鹿が』
匠が言うと、あたしはスマホの中の匠を睨みつけた。
『あたし、ちょっとロス行ってきまーす!』
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