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「元々産むのは難しいと言われていたみたい。流産は免れなかったみたいよ。だから、堕すことも勧められてたんだって。子宮が冷えてて、3人目は望めないかもって話もあったんだって。で、流産して、…今は子宮を摘出したの。でも雪子はそれで余計に自分を責めて…。理さんのスキャンダルもね、それはありえないってことは分かってるのよ。だけど、頭でわかってても、心がついてかなかったのね。そういうストレスもあって、心が病んで、逃げたくなっちゃったのよ」
真波さんが寂しげにそう言うと、あたしは泣きたくなって俯いてしまった。でも、泣かない。一番辛いのは、雪子だから……。
「今、雪子は?」
「…友人の鳥越昊っていうお医者さんとね、山梨に行ってるの」
「それって…男なの?」
「うん。理さんの高校時代の親友で、結構有能なお医者さんでもあるの。たまたまお見舞いに来た時に、雪子に頼まれて連れ出したそうよ。チャラいけど…でも、今回は雪子を助けてくれてる。体調のこともあるし、医者と一緒なら悪化させることはないし、男といえど、馬鹿なことにはならないと思う。それでね、私が山梨まで光莉と大地を送ってきたのよ。今は、光莉と大地の存在で傷が癒やされればいいな、って思うわ」
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