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真波さんがそう言うと、ゆっくりとホットのカフェラテを啜った。あたしは唇をキュッと噛んだけど、顔をあげて真波さんを真っ直ぐ見つめた。
「男と一緒ってどうなの?って思ったけど、まあ、そういうことなら仕方ないか。てっきり、理への仕返しなのかと思った」
「雪子は仕返しなんて考えないわよ。理さんもね、雪子を追いかけて行ったし…みんな一緒に帰ってきてくれれば、それでいいわ」
真波さんはそう言って、フッと優しく微笑んだ。あたしは身を乗り出して、
「理、追いかけてったんだ。今どこなの?まだ山梨?」
「いえ。…北海道に」
「北海道?!」
「昔、理さんと行ったコテージがあるんだって。私はね、瑠生さん。あの子たちの絆を信じてるの。スキャンダルも、理さんは手を出したわけじゃなくて、大地のために梨花さんが協力してくれて、それを写真撮られただけなの。理さんも梨花さんとそんなふうになるつもりはなかったし。でも、雪子は嫌だったのよね。私たちも理さんを責めたけど、理さんも相当堪えたみたいだし。あとは、二人でちゃんと話して、乗り越えてくれれば…。もう、見守ることしか出来ないわね。瑠生さん。心配してくれてありがとう」
真波さんは笑顔でそう言って、深く頭を下げた。あたしはため息をついて真波さんを見つめると、首を横に振った。
「雪子が、早く立ち直ってくれるといいね」
「うん。理さんなら、きっとできる。一緒に帰ってきてくれるわ」
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