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真波さんがそう言うと、あたしは頷いてテーブルに身を乗り出し、
「雪子の行き先、教えてもらえる?」
と訊ねると、真波さんは眉を顰めて首を横に振った。
「それは、私にもわからないわ。ごめんね。北海道の札幌から多分1時間くらいの、そんなに遠く離れた場所ではない、ってことくらいしか…」
「そう。…わかった。ありがとう、話してくれて。じゃ、雪子のことは、理が迎えに行ったなら、大丈夫でしょ。理に全部任せる。梨花は何か言ってきた?」
「あのスキャンダルで、こっちには近づけないから、何も…。マネージャーさんもかなりご立腹だったみたいで、多分あのままロスに戻ったと思うわよ。私も、梨花さんとは仲良くなれて、浮かれて家に連れてきたりしたから、今回反省してる」
「真波さんは悪くないよ…一番は梨花だから。あの馬鹿のことは、あたしに任せて!ありがとう!あたし、もう行くね」
あたしはそう言って立ち上がると、真波さんは目を丸くしてあたしを見上げて、
「ハワイに帰るの?」
と訊ねると、あたしはニコッと笑ってみせた。
「ロスに、梨花をブン殴りに行ってくる!!」
「えっ」
真波さんはさらに驚いて身を乗り出してあたしを見つめると、あたしは伝票を持って真波さんを見つめてウインクした。
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