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常夏の島。ハワイ。
観光客が絶えない、オアフ島。
あたしは今日も、青い海辺でボディボードを抱えながら、仲間たちとビキニで歩いている。この辺りのビーチはオアフ島の南東の海岸で、車で走りながらここの波が気に入って、今日はここで泳ぐと決めた。
「瑠生。今日、ダーリンは休み?」
ボード仲間の同い年のシェリーが言うと、あたしは頭を横に振って、砂浜にビニールシートを敷いて、ミネラルウォーターや炭酸水、コーラのペットボトルや缶が入ったクーラーボックスを置いた。
「ううん。仕事。なんか、日本からの依頼なんだって。芸能人か政治家のガードとかじゃないかな?詳しくは教えてくれないの。うちのボスは」
「タクミさんは、クールだもんねぇ」
そう言うのは、一緒に働いてる仲間であり、今じゃ親友のアンジェ。そばかすがハワイのローカル娘らしくて、アラサーなのに可愛らしい。最近髪をショートカットして、余計童顔になった。
「あれを『クール』という一言で済ませられないものがあるけど」
「まぁまぁ。でも、今日は休みくれたから、ラッキー!久しぶりだし、頑張るぞー!」
「おー!!」
あたしたちはボードを抱えて、海へと駆け出していった。
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