スザンヌ(3)

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スザンヌ(3)

「私、ホームに入るために来たんじゃないのよ」  ひとしきり笑ったあと、スザンヌは言った。 「ここには、遊びに来たの。うちはね、夏はいつも別荘がある湖水地方に出かけるんだけど、そこは、ほかに子供がいないからつまらなくって。それで私、両親にせがんだの。『今度の休暇は、遊び相手のいるところに行きたい』って。そしたら、ここに連れてこられたってわけ」 「ふうん」  ジョンは、いきさつについては関心がなく、生返事をした。ただ、スザンヌには親がいるということだけは分かった。
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