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ぶかぶかの服(2)
「体にぴったりの服は、一つしか持ってないんだ」
「それは、洗濯中なの?」
「ううん。ダメになった」
「ダメに?」
「つい昨日のことだよ」
ジョンは、半分残ったアイスクリームの皿を、スザンヌに突き出した。
「あげる」
「でも、それ、あなたのおやつでしょう?」
「僕のものなんだから、君にあげるのも自由だ」
スザンヌは、それもそうかと思い、ご相伴に預かることにした。ジョンの隣に座り込み、少し溶け始めたアイスクリームを、ジョンの匙ですくった。
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