シロツメグサ 約束

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俺は、ゲームが終わるとすぐに先ほどの女性がいたであろう場所へ走っていった。 もう彼女がいないのは分かっているけれど、実際にその場に行ってみたかった。実際に、その場所へいくと地面にきらりと光るものがあった。 俺はそれを手に取ってジッと眺めてみると、白い花のイヤリングだった。 「もしかして…、やっぱり…」 彼女は今もこの町に残っていたのか。そう思うと少し心が躍った。 俺は拾ったイヤリングをそっとポケットに潜り込ませて、彼女に会う機会ができたら渡そうと思っていた。 その機会は、思っていたよりも早く訪れた。 「えー、今日からここに配属になった…」 朝、いつものように上司からの仕事の報告の後に、今日は新入社員がこの部署に配属されたため皆に報告があるそうだった。 上司の言葉など耳に入るわけもなかった。俺は彼女に目を奪われ、まさかと驚きを隠せなかったのだから
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