いつかの放課後と、夢だけ見てる今日(仮)

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 トモキは授業中、いつも眠そうにしていた。夜更かしをして映画を観ているかららしい。でも、放課後になると、急に目を覚まして、別人みたいに饒舌になる。そんなトモキの素顔を知ってるのは、もしかしたら、私だけだったのかもしれない。  何を話すでもない、下らない雑談ばかりを、ずっと二人でしていた。今思えば、あんなに毎日、一緒にいて色んな事を話していたのに、トモキの事を何も知らない自分に驚く。そして、今ではもう顔すらも思い出せなかった。  あれから、どれくらいの月日が流れたのだろう。ふとした瞬間にトモキと話した事を思い出して、どうしてるかな?と一瞬だけ頭をよぎる。でも、また、すぐに忘れて、いつもの日常に戻るのだった。  トモキは私の事を覚えているだろうか。きっと今の私と同じように、日々の生活にいっぱいで、でも、私と同じようにふとした瞬間に思い出していてくれていたらいいな、そう思い、また、いつもと同じ日常に戻る。  そんな私の、大切なような、どうでもいいような、何もかも忘れちゃったけど、ハッキリと覚えてる、宝石みたいに輝いていた、原石だった頃の、二人だけの思い出話。
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