時間という価値観

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時間という価値観

人には限りのあるものがひとつだけある。 この世界で生きることを許された時間。 Aくんは78年の時間だったり、Bさんは42年の時間だったり……その許された時間はきっとその人の個性なんだと思う。 そんなAくんの78年間のうちの1分と、Bさんの42年間のうちの1分。どちらの方が大切なんだろう。 でも僕達は神様に何時間与えられてるかなんて分からない。それが分かるのはいつだって直前か、命果てるちょっと前。 もしかしたらこれを読んでる君が僕より長い時間この世界にいることを許されているかもしれないし、そうじゃないかもしれない。 僕の1分と君の1分、どちらが大切だったかなんて、気付く時にはもう遅いんだ。 だから僕らは許された時間を可能な限り、全力で考えて、考えて。 その価値を重んじて。 時に傷つけて傷つけられて、救って救われて。 愛して、愛されて。 そうして終わりに向かうんだ。 悔いのないように。
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